東大不合格体験記 3
6 高3 10月
10月は確か担任から「お前マジで東大受けるの?」みたいなことを聞かれた覚えがあります。当たり前ですよね。センター500点ですもんね
。9月に受けた駿台ベネッセのマーク模試も580点で東大文三E判定。
冷静に考えてもこの程度の学力の子が現役で受かる可能性は確率でいえば宝くじレベルですし、ここから他の東大受験者と並ぶくらいの実力をつけさせるなんて無理と判断したのでしょう。
学校はなるべく現役のうちに生徒を消化しておきたい、浪人を出したくないという風潮にありますから、三者面談とかで結構熱心に地方国立の魅力を語られたりとか、自分が東大を目指す意味とか聞かれました。
もちろん僕は東大!東大!といった感じでしたからオールスルーですね。
この判断について少し考えた時期もありましたが、恐らくここで自分の気持ちを曲げてしまったら後々もっと後悔していたはず。
今は正しい判断をしたと思っています。
このころはとにかく力がない自分と目標を理解してくれない担任が嫌でしょうがなかった。その分勉強に力が入りすぎ、睡眠をおろそかにしがちになっていました。
ほんとに効率が悪くて、昔に戻って「そんな無駄なことしてないではよ寝ろや!!」っていってやりたい。
1日6時間寝てましたが、僕はダメな人なので8時間寝るべきだったなあ・・・。
これは人によりけりですが、最低限疲れが翌日に残らない程度の時間は寝てください!!
10月に入ると世界史は少し背伸びをして添削指導を受けはじめ、
数学は相変わらずの青チャートと一対一に手を出しはじめ(本来はこの段階の自分の学力を考えると学校配布の教材を固めるべき)、
国語はなぜか古文単語をやめて2次の添削を受けはじめ(これは早すぎた)、
英語はひたすら音読を繰り返しました。
地理???ああ、あいつはいい奴だったよ。
愚か者だから焦りに焦って東大受験者のセンター平均レベルの学力がないくせに二次試験の勉強を始めるんですね。
これは歩けないのに走ろうとするレベルの奇行です。
皆さん絶対絶対真似しないで!
巷では
「東大はセンターを軽視していて、二次で勝負する大学だから、センターの勉強は足切回避程度に済ませて、残りは二次試験対策にあてるべき」
みたいな話があふれていて、
「センター720点やけど合格点した!要は二次力!」
とか
「センター9割超えたのに落ちた・・・」とか聞きますけど、こういうのはかなりのレアケースです。
センター試験も二次試験も、当然ながら高校修了レベルの知識を主流にして作られていると断言できますから、ここからセンター、ここから二次という線引きはなく、同じ流れの中に2つの試験はあるはずです。
センター試験の点数が~750くらいの方はせめて750点くらいになるまでは根本に近いセンターレベルの基礎知識から固めてほしいと言いたいです。
必ずセンター試験対策で獲得した知識は二次試験でも役に立ちますし(日本史については話は別かもしれない。これは別の記事にして書きたい)、センター本番直前の精神的余裕が違います。
ただ、800点を超えるあたりからは単純な得点の高い低いで学力の比較はできないと思いますし、810を830にする努力をするならば、代わりに二次試験に役立つ技術の獲得を優先した方がいいでしょう。
10月の位置づけは受験において難しいですよね。
基礎の確認をするには精神的に少し抵抗があるし、追い込むには早すぎる。
自分はここで焦って応用問題に手をつけて失敗しました。
これは個人の学力によりけりだと思いますが、少しでも不鮮明な部分があるならば基礎を優先してほしいです。
今日はこの辺にします。続きはまた明日書きます。
東大不合格体験記 2
5 高3 9月
高3から始めた12時間勉強が体に慣れてきたころです。
9月ごろ返ってきた東大模試は7月の代ゼミの順位が800位後半。(ちなみに約950人中である。)8月の駿台は受けず、河合も900位くらいでした。(ちなみに1000人中である。)
他の東大志望者との力の差が大きすぎるあまり、悔しさはまったく感じられなかったですね。さすが東大やな、頑張らないと、と思ったことは鮮明に覚えています。夏の最初に受けたからしょうがないという気持ちがありましたが、うーーーーん、、、、才能ないな!!って実感しました。
東大受験ビギナーあるあるだと思うんですが、何を書くのかわからない問題と、どう書いていいかわからない問題が9割5分で、残りの5分は分かったつもりで書くけど全く的外れな解答を書いて終わり。教科別で見ると、地歴は解答用紙の使い方も分からず、国語は一行に40字をゴマのような字で詰める、数学はもうわからん、知らん、解けん、英語はリスニングだけいいね!みたいな感じでした。
8月中盤に受けたマーク模試は500点。
東大の試験に対する予備知識とともに、まったく基礎知識が足りていないことが結果にもはっきり表れていましたので、学習方針がかなり見えやすくなってきた時期でした。
ですが、相変わらず復習に対する意識の低さから知識の定着力が非常に低く、なかなか知識が積み上がらなかったです。
9月も毎日10時間は勉強していましたが、かなり効率が悪かった。今なら3時間くらいで消化できる分量をだらだらとこなしていました。
9月はようやく地理の学習を始めましたが、無限の広がりを感じましたね・・・。これ間に合わんのちゃうか?と思うとともに、問題を解いていくためにどの程度まで深く掘り下げて学習していくべきか、知識はどの程度必要か、等疑問だらけ。地理は授業は必ず取るべき科目で、下手な手の出し方をすると無限に時間を奪われる科目です。
世界史と合わせて毎日約4時間くらい吸い込まれました。英数もユルフワ系なのに。
やっぱり高3夏までの間に英数をどれだけ固められるかが非常に大切だとよく言われているんですが、ほんとにそうです。
夏以降から地歴をやりだすとなかなか三教科に時間が取れなくなってきますし、コストパフォーマンス的にも地歴は後回しで、先に英数を最大限に上げるという戦略で間違いない。
特に現役生は英数をとにかく早く固める、固まらないうちは地歴は最低限にした方がいいです。
しかも自分は記憶力が壊滅的に悪いですから、教科書の同じ個所を何度も何度も繰り返し見てもなかなか記憶に残らない。
まったく固まっていない英数と並行して膨大な知識の蓄積を求められる地歴に向き合わねばならず、僕の鳥脳は完全に燃えカスになりました。
学習計画は本当に大事ですね。振り返ると本当にそう思います。
この時期になると授業のほとんどが受験対策になりましたので、自習の時間が結構増え始めますね。どの学校もそうだと思いますからうまく時間を活用できればここで現役生はかなり点数をのばすことができるはずです。
ここでのロスタイムが冬から直前期の自分を精神的に苦しめることになります。
書き出すと長いですね・・・!!! 今日はこれくらいにしておきます。
続きはまた明日にします。
東大不合格体験記 1
今日は東大不合格体験記について書いておきたいと思います。
東大を受験したときの話をどうしても残しておきたい。
こうしてブログの記事として残して体験したことを色褪せる前におくことによって、今一生懸命頑張っている東大受験生に少しでも役に立つことが、頑張ってきた過去の自分に対しての少しでも償いになるのではないかという思いがあるからです。
また、今回の体験ほどの財産を私は持ち合わせていないのに、自分の頭の中だけに保存しておくのでは勿体ないし、共有することで減るものではないのだから、進んで発信していくことで自分と同じ間違いを起こす人がいなくなればという気持ちから記事作成を決めました。
ちなみに僕が東大を受験したのは2015、2016年度の二回です。
1 不合格体験記の存在意義
合格体験記には合格までの道のりの多様性が曖昧に示されているのに対して、不合格体験記には合格にたどり着かない間違えた道のりの一例が記されています。
間違いなく言えることは、合格体験記も、不合格体験記も両方読むべきであるということ。
少人数しか通れない道はあったとしても、誰もが通れる合格への道は、東大受験という小さな領域においては存在しないと確信しています。
しかし間違った道は誰しも間違える可能性がある。
避けていくに越したことはないはずですよね。すべての道をしらみつぶしに辿っていくほどの時間は無いのですから。
だから自分の不合格までの経緯を記しておくことによって、間違った道の一つを提示しておきたいと思います。
2 東大を目指すようになったキッカケ
幼いころから東大に憧れていたわけでもなく、あるいは、君は天才だ、東大にはいるべきだ、と言われるような神童でもないわけです。小学、中学、高校ともに地方の公立校で、中学はひどく荒れ果てていて、高校も自称進学校といった感じの大した学力もない学校でした。東大合格者は2・3年に一人いるかいないかといった程度でしょうか。中高ともほとんどが部活動をしていた記憶しかないほどで、学習習慣はまるで身についていませんでしたね。
東大を目指そうと思ったのは部活動での挫折からです。もう一度全国一を狙いたいという思いが引退後から沸々と湧き上がってきました。
将来の夢とかはこの段階では皆無でしたね。今思えば最初にいだいた東大への思いについても、自分には深く根付いた軸のようなものがないですね。ただただ部活で得たコンプレックスを解消したいがための目標に過ぎなかった。
おそらくここで明確な将来設計や強い思いから東大を志望する人は、試験当日120%の力を発揮できます。自分はここに軸がないために、現役時代はただただ不安、恐怖だけを感じながら、ただでさえ足りない学力の80%くらいしか出せず、当たり前のように不合格でした。東大を志望する動機、最初に抱いた気持ちは意外と大事です。自分は複合的な理由で落ちたにせよ、ボーダーラインにいる人たちに出来る最後の小さな差は、この思いの差から生まれる可能性が高いと自分は思っています。
3 高1から部活引退まで
高1から部活引退までの間にもう少し勉強習慣が身についていたならば、現役時代の最後の半年間、正しい努力が出来ていたはずですね。
しかし、たとえできていたとしても、自分の実力、才能を客観視してみたところ、浪人は不可避といった状況でした。
とにかく定期テストの寸前以外は絶対勉強をしないという姿勢を貫いていましたし、大学も引退までは「地元の国立に滑り込めればいいな」くらいの意識でしたから、意識的に受験勉強は一切していません。
2年次は理系選択でしたが、夏に入る前の段階から物理に難があったため文転を決意。模試はたまたま数学だけとか、国語だけ校内1位とかはありましたけど、実力に全く裏付けられていないので点数が乱高下していて、いったい自分は何が得意かわからないほど。とにかく高3夏までの段階で「俺は東大に行く!!」とか言っても笑われるほかない実力でした。
(これは高1・2くらいから読んどいて損はないはずです。新・受験技法は内容は
あまり変わらないので古いのでも差し支えないです。)
4 高3夏
東大に向けての勉強を始めました。とにかく右も左もわからず、とりあえず数学は青チャート、国語は古文単語以外何にもしない、英語はz会が出している英文法・語法のトレーニングの青いやつ、世界史は東京書籍、地理は授業も取ってないし何の予備知識もないのに何にもしてない!って感じでした。ハナクソですね。
(これらの本は確実に良書。使い方次第ですね・・・・。とくに東京書籍はなかなか
頭に入りづらかったなあ・・・。)
予備校に通う経済的余裕は全くなかったし、東大合格に導いてくれるであろう教員もいませんでしたので、しょうがないはしょうがないのかなあ、、、、、。それは言い訳ですね。とにかく迷走に迷走を繰り返した時期でありました。
一日10~12時間必ず勉強するようにしていましたが、計画性が皆無で復習のタイミングもクソすぎて、食べては吐くを繰り返しているような、なんとも無駄な時間を過ごしてしまいました。
漫然とした長時間勉強は効率が悪く、余計な時間、疲労がかさむところからも、プラスどころかマイナスに働く可能性すらあります。夏休みはなかなか長く、自由な時間がたくさん取れるため、教員たちはとにかく勉強時間を増やすようと言い続けますが、学習効率を考えると、一日10時間ぐらいが限界なのではないでしょうか。たくさん勉強したい人が多いと思いますが、せめて翌日に疲れが残らないくらいの睡眠時間だけは必ず確保してほしいです。あと夏の後半に出会った受験本が自分は「うーーーーん・・・・」と思ったので紹介しておきたい。
読まない方がいいと自分は思いますが、いいと思う人もいるようですから興味がある方はどうぞ。
続きは次回にします。